長岡亮介のよもやま話462「積分の驚くべき発見 – ニュートンとライプニッツの偉業」

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⏰木曜日 2025.08.21 05:05 · 11mins

積分のアイディアは、驚くべきものです。面積や体積を求めるという求積問題の解法が接線問題を逆にして解く逆接線問題にすぎないということを発見。これは人類史上の大発見と言っても大げさでないものでありまして、17世紀ニュートンとライプニッツという2人の天才によって、独立になされたわけでありますが、この最終的な発見に至る様々な努力がなされていたわけでありまして、最後の最後の一点というか、一番重要な大発見が2人の数学者にとっておいて、置かれたとはいうものの、その直前に至るまで、この発見に繋がる数学的な研究は脈々と続いていたわけです。

その中で、ニュートンやライプニッツが発見したこと、それは一言で言えば、面積や体積を求めるという問題は、実は逆接線問題にすぎないということ。より正確に言えば、例えば曲線 $y=f(x)$ と $x$ 軸との間にある部分の面積を、左が例えば $x=a$ という直線、右が $x=X$ という直線、右の方が、$X$ というパラメータによっていろいろと変化しうるっていうと考えるところがとても大切なポイントでありますが、そういうふうに面積を考えると、面積が当然のことながら、$f(x)$ という関数にも依存しますし、$x=a$ という直線にも依存する。何よりも、$x=X$ っていう $X$ に依存する関数であるわけですね。

$X$ の関数として面積を捉えるということが、この問題に対するアプローチの一番重要なポイントです。$y=f(x)$ っていう曲線の下の $x$ 軸との間の部分、それを $y$ 軸に平行な直線 $x=X$ で区切って、その部分の面積をもっぱら $X$ という変数の関数として捉えようという発想、これがわかると、微分学の基本定理と言われる微分法の最大の謎は、半分はわかったようなものであるわけです。

というのはどういうことかっていうと、その面積を $s(X)$ というふうにしてやると $X$ が、微小に増えると当然のことながら、$s(X)$ も微小に増えるわけですね。本当に僅かに増える。$X$ が $x_0$ という値から $x_0+h$ っていう値まで変化すると、$h$ が例え微小であったとしても、その間に $s(X)$ という関数の値は微小に増える。増えた増分 increment がどのように表されるかといえば、それは当然のことながら、$s(X+h)-s(X)$、$h$ というのは、$X$ の増分を表していますが、そういうふうに表される。ということは、これを $h$ で割って平均化する。一体平均ではどれくらい増えているのかなという問題を考えると、$\frac{s(X+h)-s(X)}{h}$、この平均の面積増加率はまさに関数 $f(x)$ の値とほとんど変わらない。ということが図を書いてみるとわかるわけです。

今述べたことは、こういうふうにいわば言葉で理解しようとするとすごく大変なことですが、図を書いて直感的にし、それを数式で表してやると、簡単化されまして、結局のところ、面積を微分したものは、実は関数 $f(x)$ そのものであるということが簡単にわかるわけです。

これが微積分法の、あるいは微積分学の基本定理と言われるものの一つの核心であり、これを理解できれば、微積分はわかったようなものだというふうに言えるかと思います。言い換えれば、関数 $f(x)$ に対して、関数 $f(x)$ の $x$ 軸との間の部分の面積を求めようと思ったら、実は微分して $f(x)$ となる関数が見つけられればいいのか、ということであります。

例えば、わかりやすい話 $y=x^2$ という放物線を考えましょう。$y=x^2$ という放物線、$x$ が$0$ から例えば $X$ までの間の部分の面積、これはアルキメデスによって当初研究されたものすごく難しい問題、アルキメデスのやり方で理解するのは、ほとんど天才でないとできないというくらい難しい方法でアルキメデスは解いたわけでありますが、これが実は何ともなく、本当に簡単な計算として解ける。どういうことかっていうと、その $y=x^2$ と、$x$ 軸そして $x=X$ とで囲まれる部分の面積を求めようと思って、その面積を $s(X)$ と置いたすると $s(X)$ を $X$ で微分したときの関数が、実は$y=x^2$ であるということです。$s(x)$ という求めたい面積は、$x^2$ を微分したものにすぎない。微分して $x^2$ となる関数に他ならないということですね。

こういう逆微分の問題として解くことができるということは、微分して $x^2$ となる関数は、$\frac{1}{3}x^3$、その他にそれに定数差があるわけですが、そういうものでしかない。そうすると、このようにして、放物線と直線とで囲まれた部分の面積というのが $\frac{1}{3}x^3$ とこういうふうに簡単に表される。これがニュートンやライプニッツをして、世紀の大発見の発見者という名誉を与えたものでありますが、言われてみれば、本当に単純なことであるということが、わかります。

このように、ちょっと逆から考えてみるということは、簡単なようで見えて、実は意外に難しく、その難しさを通り越して理解すると、ものすごく広い世界が一気に開ける。こういうことがよくあります。

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