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今日は、私のしょうもない過去を告白するということに結果はなるかもしれませんが、楽しかった思い出についてお話したいと思います。私は遊ぶのが元々大好きでありましたけれども、何で具体的に遊んで、それで何が楽しかったかということについては、子供の時のことは、残念ながらあまり覚えていません。絵を書いたり、友達と野山を駆け巡ったり、そういうことが楽しかったんだと思いますが、そのことを残念ながら今生き生きと思い出すことができないんですね。ただ、私が大人になってからやった遊びで、記憶が鮮明に残っている楽しかった思い出の一つは、ゲームの面白さです。私が麻雀が好きだっていうと、そんなものが好きでっていうふうにまゆをしかめる人がいるかもしれませんが、あの不思議なゲームはとてもはまりますね。子供の頃は、ルーレットというカジノのゲームでそれが大好きでありましたけれども、あんな単純なルールではなくて、自分の作戦が作れる。しかも、作戦通りではなかなかいかない。運が作用するというところ。これがとても面白かったと思うんです。
「運と作戦」、それが両方絡むというのが、やはりゲームの面白さだと思うのですが、なぜそれが楽しいのかというと、やはりそこにある種の人間的な会話とか、コミュニケーションとか、人間的な見えない感情の発露とか、そういうものがあるからだと私は思うんですね。要するに、ゲームとして完結するのではなく、一つのコミュニケーションツールだということです。そういう意味で、子供と遊んでも楽しかったものを一つとして、私が真っ先にあげるのは、SCRABBLE(スクラブル)、スクランブル交差点のスクランブルではなくて、SCRABBLE(スクラブル)というゲーム言葉作りゲームですね。残念ながらこれは英単語に関する知識が決定的ですから、子供と対等にやるということは難しいことです。それに対して、全くそういう知識を必要としない楽しいゲームとして私が第一に思い出すのは、“ジェンガ”という遊びですね。「ただの木を重ねていって崩れる」というだけの簡単なルールで、崩した方が負けというルールのゲームなんですが、これがなかなか奥深い。注意深さが必要でいて、かつ戦略性もある。戦略性といっても、いかに組み立てたタワーを崩さないかというだけの話でありますが、そのリスクを冒して相手を打ち負かせる。その打ち負かせようと思って、自分が仕掛けたリスクに自分がハマることになるというどんでん返しがあるのも楽しいことです。実に単純素朴なゲームなんですが、大人の私でさえ楽しみましたから、子供たちにとってはどれほど楽しいものであるか、想像すらできません。
私は遊園地のようなもの、最近はテーマパークなんて言うそうですが、遊びにテーマパークなんて設けて欲しくないですね。私としては、本当に子供たちが想像力豊かに遊ぶ。心から腹を抱えて笑う。そして、自分が引っ掛けたトリックに相手が引っかかる楽しみ。自分が足引っ掛けたと思ったトリックに自分が引っかかる、そういう人生の悲哀のようなことのまた面白さ。そういうものを凝縮した単純なゲームです。私は前に、子供たちに対して与えるものは単純なものほどいいんじゃないかということを、ちらっとお話したと思いますが、こうすれば楽しくなる、こうすれば良くなると、大人たちが寄ってたかって作った刺激の強い遊びというのは、子供たちにとって刺激がありますから、当然喜ばせる効果があることは間違いありませんけれども、所詮それは喜ばせるだけであって、子供たちの内面から湧き起こってくる喜び、そして子供たちがその遊びを通して、何となく自然に考えるということを楽しむ青年に成長していくような、括弧づきでありますが「教育玩具」、教育玩具ってのもおかしい話でありまして馬鹿げていると思いますが、子供たちをおもちゃで教育するということはもっともっとロングスパンで考える必要がある。
このことをやれば算数がわかりますよとか、数が計算できるようになりますよ、図形ができるようになりますよ。そんなことを狙うような、「教育玩具」は所詮たかが知れていると思うんですね。やはり本当に素朴なもの、その中に、何か子供らしい工夫、それが盛り込まれるようなゲーム。私はジェンガを例としてとりましたが、我が国の伝統の中にある面白いゲームの一つに、“ダルマ倒し”と言うたと思いますが、「小さな木槌で下にあるダルマっていうか台を落としていく」というだけの単純なゲームです。このゲームなんかも、物流の基本原理を理解する上で役に立つ「教育玩具」だという見方もあるかもしれませんが、そんなことは無関係に楽しかったですね。「教育玩具」と言われているものもたくさんありますけれども、シンプルなものほど面白いというおもちゃの面白さ、おもちゃの持つ教育的効果について、私達はもう一度深く反省し、子供たちに強い刺激で子供たちを惹きつける、いわば子供たちを“遊びアディクション”、アディクションっていうのは麻薬中毒みたいなもので、ドラッグアディクションと言います。麻薬中毒患者に陥っている状態をアディクティブと言いますね。私は刺激に対して、アディクティブな子供たちを作るというのが、今の大人たちが用意している子供用の文化と言われているもので、これは文化では全くない。カッコ付き「文化」ですね。「なんちゃって文化」です。
単純なもの中に子供たちが発見する要素が残されている。それが、本当に子供たちも大人たちも楽しい遊びなんだと思うんです。そういう本当に大人も楽しい遊び、それを大切に守っていきたいと願います。大人たちが自分の金銭的な利益のために子供たちを惹きつける。そして子供たちが引きつけられたことを媒介として、大人たちがそこにお金を落とす。それによって儲かる。こういう広告代理店のような仕事ばかりが世の中で幅を利かせているのは、大変残念なことであると私は思います。「本当に良いものは、いつまでたっても良いんだ」ということを忘れるべきではない、と考えています。
コメント
おはようございます。
私がオススメしたいボードゲーム。
①バックギャモン.
“運”と”戦略”と”心理戦”の絶妙な調和がクセになります。
②テキサス・ホールデム.(ポーカーゲームの一種)
①と同様、中毒性があります。
麻雀が好きな人であれば、上記の2つのボードゲームも、きっと楽しめると思います。